講師の小山 匡子

小山 匡子(こやま まさこ)

株式会社スモールウィン代表取締役/茶道裏千家準教授
8歳の頃から茶道を習い始める。
以来数十年にわたって稽古を積み、教授者となる。茶器の色の変化に興味を持ち、大学では化学を専攻。

大学卒業後、味の素株式会社に入社。化粧品原料の研究開発を経てアミノ酸製造技術部門で分析、評価技術、品質管理などを担当。その後2度の転職を経て独立し、株式会社スモールウィンを設立。
現在は茶道の精神や考え方をビジネスの課題解決につなげるセミナー「茶道思考®︎」を主宰をする他、化粧品関連技術のコンサルティングなど、茶道やこれまでのキャリアを活かした事業を展開する。

なぜ、茶道思考を提唱したのでしょうか?

「茶道思考」は社会人向けの茶道教室を開いている中で温めた思考です。

私の茶道教室では茶道の所作を覚えていただく前に「何故この所作が生まれたのか」を説明いたしました。
また、所作だけではなく、禅の精神も融合した茶道の思考を生徒に説明しました。
その中で茶道がいかにビジネスにつながるのか、茶道にはビジネスの本質があることに気づきました。

500年前から時代に合わせて変革を続けてきた茶道には、「もてなし」や「ブランディング」「クリエイティビティ」など、ビジネスに生かせるポイントがたくさんあります。
そして心の在り方を見つめ直す時間になります。自分自身の会社員生活を振り返ってみても、人を敬い、調和を大事にする茶道の精神がチーム内のコミュニケーションや部下のマネジメントなどに大いに役立ちました。それをビジネスパーソンに伝えていきたい、と考えたのです。

茶道思考ではどのようなことが学べますか?

千利休が伝えるビジネスに活かせる茶道の精神をビジネスに展開できる方法を学べます。

例えば、一座建立(いちざこんりゅう)という茶道の考え方があります。これはホスト側(亭主)とゲスト側(招かれた客)の心が通じ合い、心地よい空間が生まれることを指します。客もまた、コミュニケーション能力がある程度ないと成り立たないことと感じさせてくれます。
そして、ソフトバンクグループの孫正義社長のプレゼンはこの「一座建立」で語られていることをご存知でしょうか。講座の最初に「一座建立」と書いて、説明してからスタートされます。聴講する側も一体となる感覚で講座に臨むものであることを諭されました。

みんなと一緒に、ただ一度限りのこの場をよりいいものにしたいというその思いが、プレゼンからすごく伝わると解説されています。

このように、茶道思考では茶道の精神をひとつひとつビジネスに応用できるように学ぶことができます。

どのような方に茶道思考はおすすめですか?

茶道思考を経営者や管理職など部下を持つビジネスマンの方に知っていただきたいです。
皆さんの仕事のヒントが茶道思考にはたくさんあります。 ある弁護士の方が独立するタイミングで茶道の知識を持っておきたいと私の研修を受講してくださいました。茶道思考を学ぶことで日本文化や知識などが深まるとともに、落ち着く時間もできたと教えていただきました。 コミュニケーションの質を高めるセミナーを行っているので企業研修に活用できると思います。

科学者としてはどのようなことをされていましたか?

主に化粧品技術に応用する研究をしてきました。

専門は化学で、中でも界面化学という分野になります。水と油の界面(境界面)や固体と液体との境界をコントロールすることを研究していました。界面化学を通じて、化粧品素材を開発したりアミノ酸の製造を推進していました。
また、素材や技術を企業様に説明したり、営業したりもしていました。

今でも大手化粧品会社から発売されている商品の中に、私が開発した素材が配合されているものもあり研究者として嬉しく思っています。

メディア出演・取材

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「社長の履歴書」は、現在華々しい活躍を見せる経営者の「どん底の時期」や「行き詰まっていた時期」にフォーカスした出版社が運営するWebメディアです

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公益社団法人日本技術士会は、技術士制度の普及、啓発を図ることを目的とし、技術士法により明示されたわが国で唯一の技術士による社団法人です

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「わたしの決断物語」は、人々の人生の決断に寄り添い、自分らしく生きるための決断を応援するメディアです

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なごみ2024年6月号

デジタル化で疲れ切った頭をほぐしてリフレッシュするだけでなく、ヨコの人間関係の構築すなわちダイバーシティ戦略にも有効な茶道。伝統文化を学ぶことによって生まれるビジネスのヒント、働きやすい職場づくりのためのウェルビーイングなど、ビジネスパーソンにとっての茶道の学びの有効性を紹介します。

経歴

1973年茶道8歳より茶道(裏千家)の稽古を開始
1984年科学者東京理科大学工学部工業化学科へ進学
1986年茶道茶道裏千家講師の資格を取得
1988年科学者味の素株式会社に就職 研究所配属
1993年茶道茶道裏千家専任講師に(家元より宗名である宗匡を拝名)
2003年科学者日本化学会コロイドおよび界面化学部会技術奨励賞 受賞
2005年科学者職場で課長職に昇格
2006年科学者職場でグループ長に就任
2008年科学者博士(工学)を取得
2009年茶道茶道の指導を開始
2010年科学者大学発ベンチャー企業に転職
2013年科学者テアニン、カテキンを製造販売する上場企業へ転職
2014年茶道裏千家学校茶道指導者研修会受講(京都にて)
2015年茶道裏千家茶道青年研修会受講(京都にて)
2016年茶道茶道裏千家準教授を授伝
2017年科学者技術士(化学部門)取得
2018年科学者公益社団法人日本油化学会 代議員を拝命
2020年科学者公益社団法人日本化学会コロイドおよび界面化学部会役員
2021年茶道県立高校の茶道部にて指導開始
2021年 株式会社スモールウィンを設立
2022年茶道茶室 案安庵を拓く
2023年科学者東京バイオテクノロジー専門学校非常勤講師
2024年茶道茶道特別講座裏千家ゼミナール東京之部第121期修了

活動実績

味の素株式会社の茶道サークルにて茶道指導(2009年より現在)
The International Conference of Colloid and Interface Science (至:国立台湾科技大学) 日本文化ブース 茶道にて席主を務める
日本化学会 部会技術シンポジウムにて、筒井紘一氏(茶道総合資料館副館長)による「アイディア創出への誘い:千利休のプロデュース力を学ぶ」講演を企画
「茶道思考の世界へようこそ」アート思考コンサルティングファームの株式会社Bulldozerにて展示体験イベントを開催
神奈川県立高校の茶道部にて茶道指導(2021年より現在)
株式会社淡交社より発行の月刊誌「なごみ-茶のあるくらし-」より、職域茶道特集にて取材を受ける